井原 西鶴辞世の句
浮世の月 見すごしにけり 末二年
人物情報
江戸前期の浮世草子作者・俳諧師。「見聞談叢」によると本名は平山藤五。大坂生れ。
貞門派の俳諧師としてはじめ鶴永と名のる。
「生玉万句」を契機に談林派に転じ、西鶴と号する。
オランダ流と評された前衛精神で1日に2万3500句もの独吟を成功させる一方、浮世草子の処女作「好色一代男」が評判をよんだこともあり、発展途上の大坂の出版ジャーナリズムと並走して二十数編の浮世草子を手がけた。
好色や金銭という装置を通して巧みに世の人心をくみあげる才能は抜群で、八文字屋本などの後続作に多大な影響を与えた。